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Career Creation STORY #3:(株)ネットプロテクションズ 渡辺悠太さん

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Career Creation STORY #3:(株)ネットプロテクションズ 渡辺悠太さん
皆さんは今、やりたいことが明確にありますか? 「やりたいことを見つけるべき」と言われる機会も多い世の中。やりたいことが見つからずに悩む学生さんも多いのではないでしょうか。 今回は、「やりたいことが見つかっていなくてもいい」そんなことに気づかせて下さった株式会社ネットプロテクションズ(以下NP)の渡辺悠太さんへのインタビューです。

研究に没頭していた大学院時代から一転、ビジネスの世界に飛び込んだ渡辺さん。入社後は、カスタマーサクセスや市場開発室、企画室やマーケティングなどを経験し、現在は人事総務グループ兼新卒採用ワーキンググループリーダーを務めていらっしゃいます。そんな渡辺さんが、仕事を通して「やりたいこと」や「幸せ」にどう向き合っているのか。ぜひ、渡辺さんの素敵な価値観に触れてみて下さい。


―目次―

入社経緯:「自分にとっての幸せを見つけられるか?」それが私の就活軸。

―大学院時代には「ウイルスのタンパク質が持つ病原性」についての研究に打ち込まれていたようですが、なぜ就職活動をしようと思ったのですか?
 大学院時代、周りの多くが博士号を取得して研究者になっていたので、最初は自分もそうなるのかなと考えていました。でも、研究室の教授の定年退職をきっかけに自分の人生を考えるようになりました。このまま研究者としての人生を歩むのかな?と考えたときに、違和感があったんですよね。ウイルスの研究や病気の解明をしていたのですが、病気になる人はどこにいるか知らないし、ウイルスで困っている人のことも知らないし。それを知らないのに、人生を捧げるのは無理だなぁと。一旦世の中を知りたいという想いで、社会人になろうと決めました。

―就職活動はどのように進めていたのでしょうか?
 まずは外資系のコンサルティングファームなどを見ていましたね。ネット上などで就職難易度ランキングが高かったので(笑)ただ、誰かの相談に乗るというコンサルティングよりも、「最前線でヒリヒリと仕事がしたい!」という想いが生まれてきて、事業会社を目指すようになりました。
 ただ自分には、こうなりたい、こういうことがやりたいというものが、あまりなかったんですよね。むしろ、就活をしている半年間ぐらいでやりたいことなんて分かるわけない!なんてちょっとひねくれながら就活をしていました…(笑)とはいえ、「今の生き方は自分の生き方じゃない」という感覚から就活をはじめていたこともあり、だんだんと「自分の人生を使い切っても後悔しないものってなんだろう?」「その答えが見つかる環境ってどこだろう?」そんなことを考えるようになっていきました。自分にとっての幸せを見つけられそうな環境、これが自分にとっての会社選びの軸になっていましたね。

―最終的になぜ、NPへの入社を決めたのでしょうか?
 NPは、「人の可能性を信じる・個人の幸福を願う」このあたりをとても大事にしていて、実際にそれをビジネスとして事業や組織の面から実践してきた会社なんです。だから、この環境に身を置いたら、自分の幸せが見つかるんじゃないかと思って入社を決意しました。

働く意義:私の「没頭した人生」を構成するひとつの要素が「仕事」


―学生時代の研究とNPでのお仕事は全く別の領域かと思うのですが、実際に働いてみて、学生時代にやったことが今に繋がっているって思うことはありますか?

 たしかに、大学院時代に身につけた専門的な知識が、今の仕事に直接的に役立っていることは少ないですね。でも、何かひとつのことに没頭して、自分なりに辛いことも楽しめる、楽しいと感じられる環境にしていくという経験は、今仕事をする上でもとても役に立っていると思います。

―仕事をしている今、楽しいですか?
 没頭しているという感覚が強いですね。「没頭した人生を送っています」という感覚が、自分にとってすごく楽しい。私にとって、「没頭した人生」を構成するひとつの要素が仕事だと思っています。日本に会社は400万社もあるのだから、楽しくないなら、いくらでも仕事は変えることが出来る。だから、働くことに関しても妥協せずに、「没頭できてるかな?楽しいかな?」という感覚を常に大事にしています。

―渡辺さんはお仕事をする上で、大切にしている価値観や考え方はありますか?
 めちゃめちゃありますね。例えば、「人は正しいことだけじゃ動かない。」ということ。資本主義社会の中で正しいとされることは、資本を効率的に回すことだと言われています。でもそれは、ひとつの価値観でしかなくて。「あの人は正しいこと言ってるけど、めっちゃムカつくから、あの人の船には乗らない。」みたいなことってたくさんあるんですよね。大学院時代には、ロジックで「正しさ」ばかりを追求していたけれど、仕事をはじめてから、人は感情を持っている生き物だから、「正しさ」と同じくらい「感情」も大事にしなくちゃいけないと気づきました。なので私は、人を巻き込んで仕事を前に進めるために、ロジックと感情のバランスをとることをいつも大切にしています。

―NPに入社されてから、カスタマーサクセスや事業立ち上げ、マーケティングなど様々な経験をされる中で、「自分にとっての幸せ」は見えてきましたか?
 「自分にとっての幸せ」は一生探し続けるものなんじゃないかなと思っています。幸せって、探し続けているから幸せなのであって、これが幸せだ!ということが見つかると、そこと現状にギャップを感じて自分が不幸に感じてしまいそう。だから私は、自分にとっての幸せは探し続けるものなんだろうなと思っています。
 ただ、その中でも見えてきたものは、その人が望んでいないのに、外的要因から疎外感を持ったり、その状況に太刀打ちできない、コミュニティに入れないというような状況があることに対して、自分は嫌だなぁという気持ちがあることです。それを改善することが、自分にとっても幸せなのではないかなと思っています。

―疎外感を持っている人たちに対して、今の仕事を通してどのように貢献しているのですか?
 人事という仕事を通して、NP内で働いている人たちが、活発に楽しく働けるようにサポートしつつ、会社の垣根を超えて3rd spaceを創る活動もしています。会社でもなく、プライベートでもなく、「人」として繋がれる第3の空間を創りたい。「あなたはどんなことをしたいの?それはなんで?」ということを問いながら、社内外の人たちに対してコーチング活動をしています。これはすごく自分のモチベーションになっていますね。NPは、短期的に効果がありそうなことではなく、長期的に必要なことに対して投資をしてくれる会社です。ネット決済という事業は、短期的には利益が出続けるビジネスモデルなので、「長期的に良いことってなんだろう?」を考えて投資をするんです。短期的に成果をあげるためではなく、中長期的にその人が幸福に向かっていける、そのために投資をしたいという考えのもとで、3rd spaceの取り組みが実現しています。

働く環境:なんでも挑戦できる環境だからこそ、自分が楽しく頑張れる


―長期的に良いものを追求するからこそ、NPでは組織作りにもこだわっているのですね。そのような組織は、お仕事をする上でどう生きていると感じますか?

 NPはティール型組織といって、上司のいないフラットな組織を持っています。長期的に良いものをみんなで追求していく組織です。だからこそ、自分たちで意思決定をして、いろいろな仕事を経験できていると感じています。もともと私は、自分の人生において、誰かに言われたことをやるのではなく、自分で決めたことをやりたいという想いを強く持っていました。なんでも挑戦できる環境だからこそ、自分が楽しく頑張れているのだと思います。

―いろいろなチャレンジができる環境の中で、今はどんなことに挑戦しているのしょうか?
 人事として採用の分野で、裁量権を持って仕事をさせてもらっています。どんな人を何人採用するのか?どの社員が面接を担当するのか?などを自由に決めています。また、3rd spaceのプロジェクトのように、どの部署でもないことにもチャレンジできているのも、このような組織だからこそだと考えています。

将来のこと:「今この一瞬を幸せだと思えるような生き方」をし続けたい

―最後に、将来のなりたい姿について教えて下さい。
 「今この一瞬を幸せだと思えるような生き方」をし続けたいです。これって、言うのは簡単でも実際に実行するのはとても難しいことなんですよね。人って、過去に生きていたり、将来こうしたいと未来に生きていたり。もちろんそれはそれで良いのだけど、私自身は「未来がこうなったら幸せだ」というものがない人間なので、今この瞬間を最大限に幸せに生きていられる人でありたい。それを積み重ねていくことが、自分にとっての最大限の幸せかもしれない。「今この瞬間、本当に幸せなのかな?」と問い続けることを大事に生きていきたいと思っています。


インタビュー後記

 渡辺さんのお話を伺い、キャリア選択の仕方は人それぞれであり、正解はないと感じました。やりたいことや目標が明確で、そこから逆算をしてキャリアを考える「逆算型」もひとつだし、今この瞬間に幸せだと感じる仕事に全力を注ぎ、それを積み上げていく「積み上げ型」もひとつ。そのどちらが良い悪いという話ではなく、どちらが自分にとって心地よいものなのか。そんな視点でキャリアを選択できたら、自分自身も幸せに働くことが出来るし、その仕事を通して周りの他者も幸せにできると感じました。
 今回の記事が、皆さんにとっても「やりたいことを見つけるべき」「就職すべき」など、一般的な「べき論」に縛られるのではなく、「自分にとっての幸せとは?」を考えてみるきっかけになっていたら嬉しいです。

(インタビュアー:ECCLインターン生 大学3年 長嶋美奈)

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