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Career Creation STORY #14:CCCミュージックラボ(株)後藤渉さん

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Career Creation STORY #14:CCCミュージックラボ(株)後藤渉さん
今回インタビューさせていただいたのは、CCCミュージックラボ株式会社でRolling Stone JapanというメディアのUnite Leader をされている、後藤渉(ごとう わたる)さんです。後藤さんは、1997年に音楽雑誌の編集者としてキャリアをスタートさせました。その後、音楽業界にて様々な職種を経験し、2015年から現在のお仕事につかれています。

インタビューでは、学生時代、過去から現在に至るまでのキャリア、お仕事のやりがいや将来のビジョンへの質問を通じて、後藤さんのキャリアに対する考え方を聞きました。


―目次―


学生時代から集めたレコードは5千枚!

―まず初めに、後藤さんの学生時代について教えてください!
都内の高校卒業後、北海道の短大に入学しました。当時から音楽はすごく好きだったので、親からの仕送りのうち家賃以外はレコードに費やしていましたね。ご飯は友達の家を渡り歩いてちょっとずつ食べるとか、貧乏学生みたいなことをしていました(笑)。この時、親には申し訳ないのですが(笑)ある意味、お金の有り難みを初めて感じましたね(苦笑)

短大卒業後は東京の4年制の大学の3年次に編入学しました。その時は実家で暮らしていたのですが、やっぱり遊びたいですし、レコードを買うお金も欲しかったので、日本料理屋で板前のバイトを始めたんです。単位は短大でほとんど取っていたので、朝から夜まで週5で働き、社会人1年目の月給ぐらいのお給料をもらっていたこともありました(笑)。バイトでは、連携しながらチームの中で働くことの楽しさを学びましたね。板前なので、仕事を与えられるというよりは、自ら技術を盗みに行くんですよ。今思うと、そういう部分は社会人の予行練習みたいな感じだったのかもしれません。

90年代のレコード2枚:DE LA SOUL「3 FEET HIGH AND RISING」/teenage fanclub 「A Catholic Education」(メンバー直筆サイン入り)

身近な音楽雑誌から仕事が見つかった

―初めてのお仕事に音楽雑誌の編集者を選んだ理由を教えてください。
学生時代にはバンドもしていました。それで、音楽の本場アメリカに一度行ってみたいと思っていたので、就職活動はほぼやっていなかったんです。音楽以外にも当時好きだった子がアメリカに留学していたっていう理由もあったんですけどね(笑)。でも大学4年の夏に、父親が癌で余命半年を宣告されました。そんな状況で、アメリカに行きたいなんて言える訳もなく、日本で仕事を探し始めたのがもともとのきっかけです。当時は求人誌での就職活動が中心の時代で、自分の読んでいた音楽雑誌にも編集の仕事の求人が掲載されていました。何社か受けてみて、最終的に受かったのがビジュアル系の音楽雑誌を取り扱う出版社で、そういった経緯で音楽雑誌の編集者になりました。

「音楽のヒットを生み出したい!」が転職のきっかけ

―今までに転職を4回されていますが、その理由を教えてください。
雑誌は音楽ができてからお客様に届くまでの流れの中で、一番川下の部分にいます。川上っていうと音楽を生み出すところなんです。例えばアーティスト、音楽事務所、レコード会社ですね。そういった音楽のヒットを生み出す川上の部分に行きたいと思っていたところにレコード会社の方からの誘いを受けて、2001年に初めての転職を経験しました。

―転職をする中で大切にしていたことは何ですか。
「与えられた仕事をやりに来ました」ではなく、「自分はこういうことができます」「こういうことをやりたいと思っています」というのを面接の場でいえるようにするのは大切にしていました。実際転職した後に、面接で言ったことをアクションとしてやり遂げることもそうですね。

―転職をしてよかったと感じることはなんですか。
僕は音楽業界の中でも、レコード会社のような川上から音楽雑誌のような川下まで、転職を通して広く経験しています。川上と川下では求められるスキルや人脈が違うので、そういう意味では新しいスキルや人脈を得ることができてきたのはとても良かったと思います。

―逆に転職をする中で大変だったことはなんですか。
よかった点の反対側で、新しいスキルや人脈をつけるためには労力がいります。当たり前ですが、自ら勉強をしなければいけない。そういう部分は大変だったと思います。でも、自分がやりたいことにチャレンジするためには必要なことだったので、全く苦ではなかったです。

ポイントは、まず相手を笑かすこと!?

―現在のお仕事、Rolling Stone JapanでのUnit Leader について教えてください。
簡単に言うと事業責任者です。Rolling Stone Japan は大きく分けて営業と編集の2つの軸があります。僕は営業の部分をやりつつ、全体の事業責任もしています。そのため、部下とも上司ともコミュニケーションを頻繁にとることが多い役職です。

―様々な立場の人とコミュニケーションを取る時に意識していることは何ですか?
個人的に大切にしているのは、話す前に聞くということですかね。エンタメ業界で働いているので、なるべく相手を笑かすことを意識しています(笑)。相手のツボを知るために、はじめはよく雑談をしますね。それを続けていると、相手の笑いのツボや触れられたくない話が自然と理解できるようになります。個人的に、人を笑かせたり人を楽しませることができない人はエンタメ業界の仕事は難しいと思ってます。なので、常に自分ファーストじゃなくて相手ファーストというのは意識しています

―現在のお仕事をしている中でのやりがいを教えてください。
Rolling Stone Japan のメディアという枠を飛び越えて仕事しているときですね。例えば、企業様にアーティストとのコラボ企画を提案する仕事とか。提案した企画を採用いただいて、売り上げが上がったなどの反応をもらえた時は、仕事をしていてよかったなと思います。

―仕事を行う中で、大切にしているところがあれば教えてください。
会社のフィロソフィー(哲学、考え方)でもあるのですが、お客さんを一番に考えるということですかね。商売をしているということは、買う人がいるということです。何が正解で何が不正解なのかを悩むこともあると思うのですが、その答えは買う人の立場に立って考えると自然と出てくるんですよね。なので、基本的には「お客さんがどう思うのかを考える」ことを意識しています。またコロナ禍においては、単なるお客さんではなく、その商品やサービス、企画の“ファン”になってもらうことを意識していますね。

Rolling Stone Japan vol.15 BTS表紙


関わる人に「楽しかった」と言ってもらいたい

―仕事をする時に思い浮かべる顔は誰ですか。また、仕事を通して届けたい価値について教えてください。
Rolling Stone Japan はメディアなので、一番に読者の顔を思い浮かべています。読み物として「楽しかったな」とか「ためになったな」を感じてもらい、そこに価値を見出してくれることが価値だと思います

他にも、仕事で関わる企業とかクライアントさんの顔も思い浮かべています。価値はプロジェクトごとに変化しますが、共通して言えることはこの企画をやってよかったな、楽しかったなと思ってもらうことですね。自分が考えた企画の価値が相手に伝わると、やっぱりうれしく感じます。

好きなことでパラレルキャリアを作りたい

―これから描く夢や、キャリアビジョンについて教えてください。
何か好きなことや物に触れ合いながら幸せに楽しくいきたいですね。現代は昔と違って、就職がゴールではないですよね。好きなことの先にお金があるみたいな。だからこそ、僕は音楽界隈で仕事をしているのだと思います。僕にとって好きなものは音楽以外にもたくさんあるので、もう一つ自分の好きなことでキャリアの軸を作りたいとぼんやり思っています。

愛犬丸子と後藤さんが好きなビール

学生生活は「好き」を見つける旅路

―最後にこの記事を読んでいる学生にメッセージをお願いします。
“好きなものこそ上手なれ”。これを突き詰めていってほしいなと思います。好きなことって、熱中できるし没頭できますよね。その好きの先には生活とか、仕事、友達が見えてきます。学生のみなさんの中には、「好きなことないんですけど」っていう人も多いと思います。でも学生生活って、ある種「好きを見つける旅路」だと僕は思っています。いろいろなことに挑戦して、そして「好き」を見つけたその先の社会人生活を楽しんでほしいです。

インタビュー後記

私は、インタビューを通して、自分の好きなことを突き詰める大切さを学びました。後藤さんのお話からは、常に音楽やエンタメに対する「好き」という気持ちを感じ取ることができ、聞いていてとても楽しかったです。特に、「読んでくれる人がそこに価値を見出してくれることが、価値だと思います」という言葉から、後藤さんの仕事に対する誠実さが見えたように思います。「自分の好きなことに思い切って飛び込んでみる。」そうした生き方をしたいと思わせてくれたインタビューの時間でした。
またインタビュー中は、緊張していた私に積極的にコミュニケーションを取ってくださり、どんな質問にも明るく答えてくださる後藤さんにとても助けられました! 改めて、お忙しい中貴重な時間をいただき本当にありがとうございました!

(インタビュアー:ECCL修了生 大学1年 瀬町奈々美)

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