4月のオススメ本『アフターデジタル』―オフライン/オンラインが共存する社会を紐解く―
今回は4月の新年度に向けた春の特大号になります。(パチパチ!!!!笑) 特大号ということで『アフターデジタル』を特集します。
―目次―
本の概要
この本はオンラインとオフラインのボーダレス化が進む現代社会において自分たちが扱うツールが「すべてオンラインになった世界のビジネスの在り方」について述べられている本です。
電子居住権があるエストニア、体内マイクロチップによるデジタル決済を行っているスウェーデン・・・我々を取り巻くデジタル環境は日々進化を遂げているといっても過言ではありません。この本では主に著者が暮らしていた中国の最新のICT事情を基に、これからのICT時代においてどのような観点が必要であるかがつづられています。ICTに興味のある人はもちろん、苦手意識がある人こそ読んでほしい一冊です。
この本を読んだキッカケ
私がこの本を読もうと思ったきっかけは
①財団のスタッフの方から勧められた
➁本のタイトルが気になった
➂「オフラインのない時代」・・・??・・・「なんだろう、面白そう。読んでみよう!!」
自分にとって全く聞き覚えのない言葉が羅列していてどんな意味なのか気になって読んでみたという経緯です。
オススメPOINT
①デジタル技術では日本は周回遅れ・・・??
➁「ものづくり型」→「体験寄り添い型」
➂ツールとしてのオンラインを「リアル」な人間の生活に活かす
この本で著者が主張していることは、今の日本のオフラインに軸を置いてオンラインを活用しているという点に問題があるということです。
要するにデジタル環境が整備されておらず、目的に即したオンラインが行われていないという指摘です。その例えとして、著者は無人コンビニを例にあげています。日本で無人コンビニを実施する場合、ICT技術を用いてコンビニを無人化することで効率化を図ることに目的を置きます。
しかし、中国で同じ無人コンビニを行う場合、その意味は異なります。中国の無人コンビニでは店内のありとあらゆるところにカメラが設置されています。カメラを設置することで客の行動を観察し、行動傾向を掴むためです。「どのパッケージに手を伸ばしているのか?」「何歳くらいの人がどんなものを多く購入しているのか?」などあらゆる情報が手に入ります!!つまり、中国の無人コンビニは手段であり、それを通して顧客のニーズをつかむことにあったのです。無人コンビニで収集されたデータは、友人のコンビニの接客で生かされているそうです。
このようにオンラインを用いることで企業間でのモノによるビジネスから社会や顧客の豊かな生活や人生体験に寄与するビジネスに進化しているのです。この本を読むまではオンラインが人間を支配するという恐怖感を抱いていましたが、この本からオンラインが大きな社会インフラとして人間の「リアル」な生活をウォームハートに豊かにするという価値観を知ることができました。
最後に
デジタル技術が進む現代において、オフラインがなくなる時代は避けられないのかもしれません。
それに関して様々な議論がありますが、使い方によってはデジタルが人のハートを支えるという時代に出来るんじゃないでしょうか。
オンライン/オフラインの融合が進む中で「体験をデザインすること」がこれからのビジネスには求められますが、その中で大切なことが相手目線でおもてなしの心で行動するということです。
私も今年の春からメーカーに勤めることになるのですが、自分の製品とIT技術の掛け合わせのサービスを模索し、人の豊かな生活に貢献できるようなおもてなしの価値創造を提供できる社会人になりたいです!!
デジタル社会に興味のない人こそ、この本は必読です!
◆編集者◆
小林航大
ECCLインターン生。趣味は読書と海外旅行。大学二年次に単身ガーナへボランティア渡航。その経験から現在大学院修士課程で国際協力や国際ボランティアについて研究中!!「とにかく世の中明るく変えたい」そんな気持ちで就職活動をしていました! よろしくお願いします!!